【ビジネスバスケノベル】第1訓、キャプテンという立場がお前を作り出す。

◆第1訓、キャプテンという立場がお前を作り出す。

 

 

 

「え?なんで転校してきた僕がキャプテンをやらなきゃいけないんですか?」

2人しかいない静かな体育館で、大きな声で、僕は不満をぶつけた。

 

 

「俺がそう決めたから。」

何事もないかのように、おっさんが答えてくる。

 

 

「勝手に決められても困ります。僕はキャプテンの器じゃないですし、チームをまとめるには、力不足だと思います。それに僕はそこまでバスケも上手くないですし。」

 

 

「俺の人の目を見るセンスに間違いはない。お前がキャプテンをやれば、間違いなくこのチームは強くなる。だからだ。」

 

 

「そんな社交辞令的なことを言っても、俺はキャプテンを務めるつもりはありません。もっと適任がいるじゃないですか?僕は一茶をキャプテンに推薦します。」

 

 

「たしかに一茶なら真面目なチームになるだろうな。でも、それじゃダメなんだ。チームが強くならないし、面白くない。お前じゃないとダメなんだ。まあ、もう決めたことだから、よろしく。」

 

 

僕には、キャプテンをやれる力と自信がないのに。

話にならない。怒りと呆れで喋る気力もない。

黙って、おっさんの顔を睨んでいた。

 

 

するとおっさんが真面目な顔して言ってきた。

「誰だって、最初からキャプテンを務められる能力を持った選手なんていない。プロチームの一流キャプテンと言われる選手だって、最初はキャプテンとして役割をこなせない。」

「立場が人を作るんだよ。」

「キャプテンという立場がお前を成長させる。キャプテンとして、バスケ選手として、人として。」

「俺は、お前を信じている。将来、このチームを引っ張る最高のキャプテンとして、最高の選手として、最高の人として、活躍できると俺は確信している。お前しかいないんだよ。」

「お前が、このチームのキャプテンだ。まあ、よろしく頼むわ。」

そう言って、おっさんは、体育館からいなくなった。

 

 

 

おっさんに言われた言葉は、耳を通して、脳と身体に響いた気がした。

褒められて気分が良いだけかもしれない。

でも、キャプテンをやるしかない。このチームを強くするために。

そう強く思った。

 

 

早く明日の練習の時間が来てほしいと

こんなに思ったことはないほど、やる気がみなぎっていた。

 

 

 

 

◆メンターからの教え

『立場が人を作る』